【セブ旅行記⑥】マゼランの十字架とは?セブ島で歴史を感じる観光スポットを訪ねて

知らずに見るか、知ってから見るか。セブ島・マゼランの十字架を訪ねて

こんにちは。沖縄出身・川崎市多摩区在住のSannie(@sannie_jp )です。

2025年のゴールデンウィーク、夫とふたりで5泊6日のフィリピン・セブ島(マクタン島)旅行へ行ってきました。

ゆったりと流れる南国の空気に癒されながらも、ついついセカセカと観光してしまう典型的な日本人(笑)そんな旅の思い出を、何回かに分けて綴っています。

第6弾となる今回は、セブ島観光では外せない定番スポット「マゼランの十字架」へ。

ちょうど日曜のミサの時間と重なっていて、観光客に加えて地元の人々も多く訪れていて大賑わい。歴史の重みと信仰のあたたかさが、今もこの場所にしっかりと根づいていることを感じました。

セブの街角に、歴史が息づく「マゼランの十字架」

セブ島の観光名所としてよく名前の挙がる「マゼランの十字架」。実際に行ってみると、想像以上に街の雑踏に溶け込んでいてます。油断していると見逃してしまいそう。

場所はサント・ニーニョ教会のすぐお隣。観光客は多いものの、売店や屋台に囲まれているわけでもなく、ちょっと素朴な雰囲気が逆に心地よい場所でした。

見上げると気づく、「風向計付きクロス」の意味

多くの人が十字架そのものや天井画に注目しますが、ふと見上げると、八角堂の屋根の上に立つクロスが目に入ります。

これは、ただの飾りではなく風向計付きの十字架。

キリスト教の象徴として高い場所に掲げられているのはもちろん、風向を示す矢印がついていて、航海の安全や神の導きを願う意味も込められているそうです。

デザインには、スペイン統治時代の教会建築やヨーロッパのバロック様式の影響も見られるとのこと。ちょっとしたディテールですが、空を背景に堂々と立っている姿は、なかなか味があります。

500年前の十字架の意味

この場所に十字架が立てられたと伝えられているのは1521年。ポルトガル人の探検家マゼランがスペイン艦隊を率いてフィリピンに初めて接触し、キリスト教を広める象徴として建てたとされています。

現在の十字架は、当時の木製のものを保護するために外側を囲って保存しているもので、中に“本物”が収められていると伝えられています。(諸説あるようですよ)

八角堂のドーム型の天井を見上げると、布教の場面が描かれた天井画が目に入ります。

マゼランと司祭、そして洗礼を受ける現地の人々…500年前の出来事が、色彩豊かな絵を通じてぐっと身近に感じられる瞬間でした。

この天井画の印象が一番残った、という人も多いそう。描かれた人々の表情や視線の先まで細かく表現されていて、しばらく見入ってしまいました。

観光名所でありながら、ここは今も“祈りの場”。私が訪れたときも、十字架の前で静かに手を合わせている人がいました。

スタッフの方がろうそくを販売していたり、小さな紙に願いを書いていた若者の姿も。派手さはないけれど、信仰が息づく場所だと肌で感じました。

セブの地に立つ「キリスト教布教の記念碑」

十字架の見学を終え、ふと通りに目をやると、緑に囲まれた記念碑がありました。上には地球儀、正面にはレリーフがあり、マゼランが地元の人々にキリスト教を伝えている場面が描かれています。

背景に描かれた帆船や、座って話を聞く現地の人たちの姿を見ていると、大航海時代の空気が少しだけ感じられるような気がしました。

地球儀には風雨の跡が残っていて、長い年月の重みも伝わってきます。ここが「フィリピンにおけるキリスト教の出発点」であることを、静かに、でもしっかりと語ってくれているようでした。

まとめ:こぢんまり、でも確かに残る場所

派手な観光地を期待して行くと、少し肩透かしを食らうかもしれません。でも、この十字架がどんな意味を持っているのかを少しでも知ってから訪れると、見え方も、感じ方も変わってくる気がします。

実際に訪れてみると、思っていたよりずっとこぢんまりとした場所でした。でもその分、ローカルの人たちの暮らしの中に自然と溶け込んでいて、長い年月をかけて大切に守られてきたんだろうな…と、しみじみ感じました。

ちょうど日曜日で、ミサに来ていた地元の方々の祈りの姿にも触れられたのが、より印象的だったのかもしれません。

帰国後に、屋根の上のクロスや記念碑の意味を調べて、「あの時、ちゃんと意味を知っていれば…」と少しだけ後悔も。

海外旅行って、その場所の“背景”を知っているかどうかで、心に残る深さが変わるんですよね。毎回思うことですが、今回もまた、そのことを改めて実感しました。

次の旅では、もう少し丁寧に向き合っていきたいと思います。

「マゼランクロス」基本情報

Magellan’s Cross(マゼランの十字架)
所在地:P. Burgos St, Cebu City, 6000 Cebu, Philippines
※セブ大聖堂やサント・ニーニョ教会のすぐ隣です。

通常:8:00〜18:00頃
年中無休(ただし宗教行事や祝祭日には一部エリアが立ち入り制限されることあり)
入場料:無料(寄付は任意)

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