2025年のゴールデンウィーク、夫と2人で5泊6日のフィリピン・セブ島(マクタン島)旅行へ行ってきました。
今回は前回の「マゼランの十字架」に続いて、すぐお隣にある「サントニーニョ教会(正式名:サントニーニョ・デ・セブ大聖堂)」を訪れたときのことをお届けします。
セブ観光の定番スポットといえば、やっぱりここ。フィリピン最古の教会として知られ、スペイン統治時代のはじまりを今に伝える、歴史と信仰がぎゅっと詰まった場所です。
もし日程に余裕があるなら、日曜ミサの時間帯に合わせて訪れるのが断然おすすめ。独特の空気感を肌で感じることができますよ。
フィリピン最古の教会で、信仰の原点にふれる
大きな垂れ幕に描かれているのは、この地で大切にされてきた信仰の象徴「サント・ニーニョ(幼きイエス像)」。正直、ここまで“幼いイエス様推し”の教会って、今まで見たことがなくてちょっと驚きました。

この信仰の始まりは1521年、マゼランがセブにやって来たときだそうです。
垂れ幕の下がっている建物は、Museo Basilica Del Santo Niño(ムセオ・バシリカ・デル・サント・ニーニョ)と言って、サント・ニーニョ教会に隣接する博物館です。右手の方にサント・ニーニョ教会がありますよ。
教会前の広場は、信仰と日常が交差する場所
現在でも、観光客だけでなく地元の人々にとっても、祈りの場として親しまれているようです。
私が訪れたときも、ミサ前には静かに集う人々の姿があり、何事かと見守っていると、美しい歌声が空へと響き始めました。この場所が今も「生きた信仰の場」であることを実感しました。

ちなみに特別な行事のときには、この広場でもミサやセレモニーが行われるそうですよ。私が行った時が特別な時だったのか、毎週の行われているものなのか、ハッキリとは分かりませんでした。
空の青に映える、聖人たちの静かなまなざし
屋上にずらりと並ぶ白い聖人像も、かなり印象的でした。
どの像も空を見上げるように静かに立っていて、手には書物や十字架、身に着けている衣装もそれぞれ違っていて、すごく細かく作られているのが伝わってきます。

周囲の緑と青空、そして像の白がコントラストを成していて、日差しの強いセブの空気の中に凛とした佇まいは目を引くものがありました。
ミサを前に集まってくる人たちを、見守ってくれているような、そんな気持ちにもなりました。
信仰500年を刻む、記念の十字架
教会の敷地内にぽつんと立っているこの十字架は、フィリピンにキリスト教が伝わってから500年を記念して建てられたものなんだそう。

マゼランの布教から始まった信仰の歴史が、今もここに受け継がれているんだなぁ…と、しみじみ。
派手な装飾はないけれど、その分、シンプルで美しい佇まいでした。
回廊の先に広がる、祈りの熱量
大聖堂の敷地に足を踏み入れると、目の前に現れるのは、シンプルなアーチが連なる回廊。
この日は週末だったこともあり、地元の方や観光客でとってもにぎやか。

教会の中は、ちょうどミサが執り行われていたので写真は控えましたが、みんなそれぞれの思いを胸に祈りを捧げている姿がとても印象的でした。
こういう空気感、やっぱり現地に行かないとわからないですよね。
信仰と美が宿る、セブのマリア像
敷地の奥まった一角に、目を奪われるような美しいマリア像が祀られていました。
繊細なレースのベールに包まれた純白の衣、金糸の刺繍、そして後光のように輝く銀の輪。どこか優しく微笑む表情が、母なる存在の温もりを感じさせます。

その胸に抱かれた幼子イエスもまた冠を戴き、柔らかな眼差しでこちらを見つめているようでした。
背景の深紅の幕がこの荘厳な母子像をより際立たせ、目を奪われる美しさでした。
光と影の中庭、旅のひとコマ
敷地内をふらりと歩いていると、まるでヨーロッパの庭園のような雰囲気の中庭に出会いました。

白く輝く噴水と、丁寧に手入れされた緑の植え込み。その前にちょこんと立っていたのは、観光で来ていたらしい小さな女の子でした。
水色と黄色のツートーンカラーの日傘が、強い日差しの中でとても鮮やかに映えていて、まるで風景の一部みたい。あまりに愛らしくて、思わずカメラを向けてしまいました。

更に奥に進むと、通路の先にひっそりと佇んでいたのは、祈りを捧げる修道女の像。何を想って空を見上げているのか…思わずこちらも静かな気持ちになりました。
石壁と白い像のコントラストも美しく、まるで祈りの時間がこの場所にずっと流れているかのようでした。
こういう、ちょっとした旅のワンシーンが、後になって心に残ったりするんですよね。
まとめ:ただの観光じゃない、“祈り”を感じる時間
歴史の重みと、人々の祈りが今も息づく「サントニーニョ・デ・セブ大聖堂」。ただの観光地ではなく、日常の中に信仰が根づく“生きた教会”として、訪れる人の心をそっと整えてくれるような場所でした。
祈りを捧げる人々の姿、鮮やかな装飾に包まれた聖像たち、そしてふとした瞬間に出会った静かな風景。それぞれが心に残っていて、たぶん私の中でこの旅の思い出として、ずっと残っていく気がしています。
「見るだけ」ではもったいない、そんな体験ができたこの大聖堂。セブを訪れるなら、ぜひ少しだけ時間をとって、自分のペースで歩いてみてください。思いがけず、心に残る何かと出会えるかもしれません。
サントニーニョ・デ・セブ大聖堂の基本情報
正式名称
Basilica Minore del Santo Niño de Cebu
(バシリカ・ミノレ・デル・サント・ニーニョ・デ・セブ)
住所:Osmeña Blvd., Cebu City 6000, Philippines
開門時間:4:00 AM~9:00 PM
参拝時間:5:00 AM~7:00 PM頃(日による)
入場料:無料(寄付可)