飛行機に乗ったとき、
「顔の奥がズキズキ痛む」
「頭が締め付けられるように痛い」
そんな経験はありませんか。
私が体験したのは、飛行機が離陸してしばらく経った頃、それまで感じたことのない強烈な痛みが顔の奥から一気に広がるというものでした。
最終的には痛みが頭全体にまで及び、「頭が割れる」という表現が初めて誇張ではないと感じたほどです。
その後、原因と対処法を知ったことで、今では飛行機に乗ること自体への強い不安はなくなりました。
この記事では、
- 実際に起きた症状
- 医師から説明された原因
- 次のフライトで私が気をつけていること
を、体験者の立場からまとめています。
これから飛行機に乗る予定がある方、過去に似た痛みを経験したことがある方の参考になれば幸いです。
※本記事はアフィリエイト広告(PR)を含みます。
2021年11月28日に書いた記事ですが、2025年12月23日にリライトしました。
飛行機の離着陸で「顔が割れるように痛い」それ、航空性副鼻腔炎かもしれません
最初は
「気圧のせいかな」
「寝不足だったかも」
その程度に考えていました。
ですが、年に何度も飛行機に乗る生活の中で、あまりに強烈な痛みを繰り返したことで、強い不安を感じるようになりました。
調べていく中でたどり着いたのが、「航空性副鼻腔炎(飛行機頭痛)」という言葉です。
耳鼻科の専門クリニックを受診したところ、診断は予想通りでした。
この症状は、事前に知っていれば避けられた可能性が高いものだったと、今では感じています。
前提として、もともと三半規管が弱く、副鼻腔炎持ちだった
実は過去に、副鼻腔炎と診断されたことがあります。
ただ当時は大きな支障もなく、「そのうち治るだろう」と通院をやめてしまいました。
20代の頃は、自分の健康にかなり無頓着だったと思います。
体感として、私は乗り物酔いしやすく、三半規管も弱いタイプだと思います。
- エレベーターで耳に圧を感じやすい
- 車で坂道を下ると気持ち悪くなる
- ダイビングで耳抜きができない
飛行機の降下時に体調が悪くなり、着陸後はぐったりすることも珍しくありませんでした。
コロナ禍でしばらく飛行機に乗らない期間がありましたが、再び年に数回搭乗するようになったタイミングで、人生で経験したことのない激痛に襲われたのです。
私が経験した「飛行機頭痛」の症状と痛みの始まり方
私の場合、痛みは次のように進行しました。
- 鼻の横(顔の右半分)から痛みが始まる
- 口角付近までじわじわと広がる
- 歯医者の麻酔後のような感覚になる
- 締め付けるような痛みが頭まで広がり、涙が止まらなくなる
最終段階では、じっとしていられないほどの痛みでした。
自分の意思とは関係なく、涙が勝手に出てきます。
機内という環境上、横になることもできず、ただ耐えるしかありません。
当時は
「もしかして脳の病気では…」
と一瞬よぎったほどです。
JALのCAさんが何度も様子を見に来てくださり、その存在が本当に心強かったことを覚えています。
気圧の変化で起こる?航空性副鼻腔炎の原因とメカニズム
航空性副鼻腔炎は、気圧の急激な変化が引き金になります。

簡単に言うと、
- 副鼻腔の空気がうまく逃げない
- 内外の気圧差が生じる
- 粘膜が引っ張られ、炎症と強い痛みが出る
という状態です。
高層ビルのエレベーター降下時や、天候の変化でも、圧の影響で似た違和感が出る人もいるそうです。
鼻の横から痛みが始まった理由も、構造を知ると納得できました。
耳鼻科の先生からは、
- 放置すると悪化しやすい
- 治りきる前に飛行機に乗ると再発しやすい
- 治るまでは搭乗を控えた方がいい
と説明されました。
「自然に治るものではない」と聞き、正直反省しました。
治療に使われた薬と、他の耳鼻科で聞いた話
処方された薬は、内服薬4種類と点鼻薬2種類。

- クラリス
- カルボシステイン
- デザレックス
- モンテルカスト
- ナゾネックス点鼻液
- コールタイジン点鼻液
後日、別の耳鼻科でも確認しましたが、いずれも一般的な副鼻腔炎治療で使われる薬だと言われました。
私は不安が大きかったため、航空会社の社医経験がある医師のいる鼻専門クリニックを選びましたが、通常の耳鼻科でも十分対応可能だと思います。
薬を飲んだ後、実際どうだったか
この薬を約12週間、継続して服用しました。
途中、薬を飲んでいるにもかかわらず搭乗したフライトでは、症状が出てしまったこともあります。
鎮痛剤(バファリンなど)は、ほとんど効きませんでした。
副鼻腔由来の痛みは、一般的な頭痛とは性質が違うと感じました。
それでも治療を続けた結果、最終的には症状は改善しました。
再発を防ぐために実践した、搭乗前の対策と工夫
現在、私が意識していることは以下です。
- 搭乗直前に点鼻薬を使用する
- 鼻づまりを感じる日は無理をしない
- 精神的に緊張しすぎない
- 機内ではできるだけ休む
ここからは、私が実際に試して 「安心材料」 になったアイテムだけ載せます。合う合わないは個人差があるので、無理のない範囲で参考にしてください。
※以下はPRリンクです。
私の場合、いちばん実感があったのは「搭乗直前に点鼻薬で鼻の通りを確保しておく」ことでした。
鼻づまりを感じる日ほど、機内で圧の逃げ道が作れずつらくなりやすい感覚があったので、今は「お守り」として準備しています。
点鼻薬は体質によって合う合わないがあるので、心配な方は耳鼻科で相談してください。
私は「鼻が少しでも詰まっている日」に痛みが出やすかったので、搭乗前の準備として入れていますが、「携帯しやすくて、機内でも使いやすい形」を選びました。
もう1つ大事だったのが、機内で「緊張しすぎない」こと。
私は不安が強いほど痛みの体感が増幅する感じがあったので、短い搭乗時間でも休めるように、ホットアイマスクで「強制的に目を閉じる環境」を作っていました。
不安で緊張すると余計につらく感じたので、「休むスイッチ」を入れる目的で持っていきます。
もちろん普通のアイマスクでも十分ですが、衛生面・使用感・価格のバランスが良く、いろいろ試した結果「めぐりズム」がいちばん扱いやすかったです。
Q&A:航空性副鼻腔炎(飛行機頭痛)でよくある質問
同じように不安を感じた方が多かったので、よくある質問をまとめました。
Q1. どんな痛みなら「航空性副鼻腔炎」を疑うべき?
A. 私の体験では、離陸後しばらくして顔の奥(鼻の横)から始まり、片側に強く出る痛みが特徴的でした。そこから口角周辺、さらに頭まで広がり、鎮痛剤が効きにくいレベルになることもあります。
「いつもの頭痛と違う」「顔面の奥が痛い」「歯が浮く感じがある」などは、早めに耳鼻科に相談した方が安心です。
Q2. 痛みは離陸と着陸、どっちで起きやすい?
A. どちらでも起きる可能性があります。一般的には上昇・下降の気圧変化で起こりやすく、私は離陸後に始まりました。
「毎回、降下のタイミングで耳や顔が痛くなる」など、パターンがある人もいると思います。
Q3. 鎮痛剤(バファリンなど)は効きますか?
A. 私の場合は、ほとんど効きませんでした。
副鼻腔由来の痛みは、一般的な頭痛と違って原因が“圧の問題”や“炎症”にあるため、鎮痛剤だけでは抑えきれないことがあるようです。
つらさが強い場合は、自己判断で耐えず耳鼻科で原因を確認するのが安全です。
Q4. 搭乗前にできる対策はありますか?
A. 私が意識しているのはこの4つです。
・搭乗直前に点鼻薬を使う(医師の指示または自己判断の範囲で)
・鼻づまりがある日は無理をしない
・緊張しすぎない(不安が強いと体感が悪化しやすい)
・機内ではできるだけ休む
特に「鼻の通りをよくしておく」は、私にとって大きなポイントでした。
Q5. 風邪気味・鼻づまりのときは飛行機に乗らない方がいい?
A. 可能なら避けた方が無難だと思います。
鼻づまりがあると、副鼻腔の圧調整がさらにうまくいかず、症状が出やすくなる可能性があります。
どうしても搭乗が必要なら、事前に耳鼻科で相談しておくと安心です。
Q6. 耳抜きが苦手でも起こりますか?
A. 起こり得ます。私は耳抜きが苦手で、エレベーターや坂道で耳に圧を感じやすいタイプでした。
耳の圧と副鼻腔の圧は別物ですが、「圧変化に弱い体質」の人は、体感として関連していることもあるかもしれません。
Q7. 受診するなら何科?どんなふうに伝えるとスムーズ?
A. 基本は耳鼻科です。
受付や診察で伝えるなら、例えばこの一言が早いです。
「飛行機の離着陸で、顔の奥が片側だけ激しく痛くなります。航空性副鼻腔炎の可能性を見てもらえますか?」
痛む場所(鼻の横、頬、歯のあたり)と、起きるタイミング(離陸後/降下時)をセットで伝えるのがポイントです。
Q8. どのくらい治療に時間がかかりますか?
A. 私は薬を約12週間継続して、最終的に改善しました。ただし症状の程度や副鼻腔の状態で個人差があると思います。
「少し良くなったから」と自己判断で中断せず、医師の指示どおり進める方が再発予防につながりやすいと感じました。
Q9. 同じ痛みが出たら、次に乗るのが怖いです
A. 私もまったく同じでした。
ただ、原因と対処の方向性が分かると「何を準備すればいいか」が見えて、恐怖がかなり軽くなりました。
不安が強い場合は、次の搭乗前に耳鼻科で相談しておくと、精神的にも負担が減ります。
Q10. 片側だけ痛いのは普通ですか?
A. はい、片側だけ強く痛むケースも珍しくありません。
私の場合も、最初は顔の右半分、特に鼻の横あたりから痛みが始まりました。
副鼻腔は左右それぞれに空間があり、炎症や鼻づまりの状態にも左右差が出やすいと言われています。そのため、片側の副鼻腔だけで圧の調整がうまくいかず、強い痛みが出ることがあります。
「片側だけだから大丈夫」「そのうち治るだろう」と思ってしまいがちですが、痛みが強い場合や毎回同じ側に出る場合は、早めに耳鼻科で相談した方が安心だと感じました。
Q11. 歯が痛い・歯が浮く感じがするのは関係ありますか?
A. はい、副鼻腔炎が原因で歯の痛みや違和感が出ることがあります。
私も、痛みが広がる途中で「歯医者の麻酔をした後」のような感覚になりました。
上あごの奥歯は、副鼻腔(特に上顎洞)と非常に近い位置にあるため、副鼻腔の炎症や圧の変化が、歯の痛みとして感じられることがあると言われています。
虫歯や歯周病がなくても、「歯が浮く」「ズーンと響く」「噛むと違和感がある」といった症状が出ることもあり、原因が歯ではなく副鼻腔だった、というケースも少なくありません。
飛行機の搭乗前後に歯の痛みや違和感を感じた場合も、耳鼻科で副鼻腔の状態を確認してもらう価値はあると思います。
まとめ:飛行機での頭痛や顔の痛みは、我慢せず耳鼻科へ
鎮痛剤が効かない顔や頭の痛みがある場合、我慢せず耳鼻科を受診することをおすすめします。
原因を取り除かない限り、耐えても解決にはなりません。
私自身、治療によって再発を防げるようになり、今では安心して飛行機に乗れるようになりました。
なお、私が“保険として持っていったもの”は、上の「再発を防ぐために実践した、搭乗前の対策と工夫」にまとめています。体質や症状には個人差があるので、無理のない範囲で参考にしてみてください。
次のフライトが、少しでもラクになりますように。
【追記】
2025年現在、実家への帰省や海外旅行も再開できています。本当に治ってよかったと、心から思います。
