“飛行機で顔が痛い”“頭が締め付けられる”そんな経験はありませんか?
飛行機で顔が痛くなる原因は、実は「航空性副鼻腔炎」かもしれません。
私のように悩んでいる人は意外と多いかもしれないなと思ったので、私の体験談をシェアします。
2021年11月28日に書いた記事ですが、2025年11月6日にリライトしました。
前提としてもともと三半規管が弱く、副鼻腔炎持ちだった
実は過去に副鼻腔炎の診断を受けたことがあるのですが、何となく面倒でそのままフェードアウトしてしまった記憶があります。
おそらく大きな支障がなかったのだと思います。というか、副鼻腔炎の症状がどんなものかを深く考えたこともありませんでした。20代の頃は、自分の健康に無頓着でした。
体感として、私は三半規管が弱いようです。
日常生活でもエレベーターや車で坂道を下る時に耳に圧を感じたり、ダイビングをしようにも耳抜きができずに断念したこともあります。
飛行機が降下するタイミングになると具合が悪くなり、空港に着陸する頃にはグッタリ……ということも多々ありました。もしかすると、同じような方もいらっしゃるかもしれませんね。
コロナ禍のため、しばらく飛行機には乗っていなかったのですが、今年に入ってから諸事情により4回(2往復)乗る機会がありました。
その際に体験した痛みが、今までの人生で感じたことのないほどの激痛で、気が触れてしまうかと思うくらいの衝撃でした。
私が経験した“飛行機頭痛”の症状と痛みの始まり方
まず「航空性副鼻腔炎(飛行機頭痛)」とは何か?という話ですが、私の場合は次のような流れでした。
- 鼻の横(顔の右半分)から痛みが始まる
- 口角のあたりまでジワジワと痛みが広がる
- 鼻の横から右の口角にかけて、歯医者の麻酔をした後のような感覚になる
- 最終的には締め付けるような痛みが頭まで広がり、涙が止まらなくなる
最終段階では、あまりの痛みにじっとしていられませんでした。自分の意志とは関係なく、勝手に涙が出てきます。
それでも飛行機という特殊な環境のため、横になることもできず、ただ耐えるのみ。自分の体に何が起こっているのか考える余裕もないほどの状態でした。
少し前に、知人が軽度の脳梗塞で倒れた際も「顔の半分に違和感があった」と言っていたので、30代の若さで脳梗塞か……とぼんやり思ったことを覚えています。
JALのCAさんには大変お世話になりました。心配して何度も様子を見に来てくださり、とても心強かったです。
その後いろいろ調べた結果、原因は「副鼻腔炎」なのではないかという結論にたどり着きました。
結果的にその考えは正しく、その後、副鼻腔炎の治療を行いました。
気圧の変化で起こる?航空性副鼻腔炎の原因とメカニズム
メカニズムとしては、簡単にいうと下記の内容のようです。
航空機の搭乗中気圧の急激な変化に対応できず、副鼻腔内と外気圧の間に圧格差が生じることにより、鼻や副鼻腔(顔面)の炎症と痛みを生じる疾患を航空性副鼻腔炎といいます。高層ビルのエレベーター降下時や天候の変動(天候の悪化)により同様の病状になることもあります。
引用元:https://matsuwaki.com/examination/case07.html

図を見ると、鼻の横から痛みが始まった理由がよく分かります。
「ここから痛みが始まった」と明確に分かるほど、急激に強い痛みが広がっていくのです。
今回の診断結果を踏まえた耳鼻科の先生の見解は、次の通りでした。
- 何も対処しなければ、どんどん悪化する
- 少し良くなっても、完治前に飛行機に乗ることで再発する可能性がある
- その繰り返しになるので、治るまでは乗らない方が良い
放っておいても自然に治るものではないそうです。
私は何となく「いつか治るだろう」と思っていたので、少し反省しました。
ただ、すでに年末にも飛行機に乗る予定があったため、先生からは点鼻薬をうまく使って対処するようアドバイスをいただきました。
治療に使われた薬と、他の耳鼻科で聞いた話
病院で処方された薬は、ずらりと6種類。
まずは4種類の内服薬と、2種類の点鼻薬で治療を進めることになりました。

- クラリス
- カルボシステイン
- デザレックス
- モンデルカスト
- ナゾネックス点鼻液
- コールタイジン点鼻液
後日、別件で別の耳鼻科に行ったのですが、どれも一般的な副鼻腔炎に使用される薬だそうです。
私は不安が大きかったため、航空会社の社医を務めたことのある院長先生が経営する「鼻専門クリニック」へ行きました。
ただ、私と同じような症状であれば、通常の耳鼻科でも十分対応できると思います。
薬を飲んだ後にどうだったか
この薬を12週間飲み続けました。
6週目で一度、経過観察のための受診を予約していたのですが、それがちょうど年末の飛行機搭乗直後でした。
症状が出たのは、1回目の復路(その直後に鼻専門クリニックを受診)、そして2回目は往復ともです。
2回目の往路では「さすがに今回は薬も飲んでいるし大丈夫でしょ。前回は体調が悪かっただけだよね」と高を括っていたのですが、見事に撃沈。
しかも前回よりも辛い。あまりの痛さにCAさんに頭痛薬をもらいましたが、まったく効きませんでした。
ひたすら痛みと涙に2時間ほど耐え、陸地が見えた頃にようやく痛みから解放されました。
復路は過去2回の恐怖があったため、準備も万全のつもりでしたが、「バファリンプレミアム」も全く効きませんでした。
副鼻腔から発生する痛みは、本当に鎮痛剤が効かないのです。
再発を防ぐために実践した“飛行機搭乗前の対策”と工夫
薬を飲んだにもかかわらず、往復の2回とも症状が出てしまったことに絶望を感じましたが、信じて薬を飲み続けるしかありません。
その後も何回も飛行機に乗る機会がありましたが、飛行機に乗り込む少し前に「コールタイジン点鼻液」を使うようにしていました。
これはあくまで私個人の見解ですが、コールタイジンに限らず、「血管を収縮させて鼻づまりを速やかに改善する成分」が入っている点鼻薬であれば、市販のものでもある程度の効果はあると思います。
もちろん個人差があるため、参考までに。使用は自己責任でお願いします。
また、薬を飲むのはもちろんですが、リラックスすることも意識しました。
心理的な不安が、痛みを強めてしまうような気がしたからです。
まとめ:飛行機での頭痛や顔の痛みは我慢せず耳鼻科へ
私と同じように鎮痛剤では効かない痛みに悩まされた方は、一度耳鼻科で相談を。
根本的な原因を治さない限り、我慢しても意味がありません。
私は薬を毎日飲むのが苦手なのですが、飲み忘れないように心がけました。
薬を飲んでも改善されない場合は、「手術も視野に入れた方が良い」と先生に言われましたが、幸いにも私は治療で改善に至りました。
【追記】
2025年11月現在、コロナ禍も明け、実家には年4〜5回、海外にも年2〜3回行ける生活が復活。本当に治って良かったなと、心から思います。
