先日、とある友人がこんなことを言っていました。
「子どもがいないと、人生の節目が少ないため、自分が年を重ねていることに気づきにくいらしい。だから、最近は“痛い大人”と思われないように、意識して行動している。」
な、なにそれ…!その視点、完全に目からウロコでした。
果たして、未婚の方や子どもがいないDINKs(とくにアラフォー世代)は、本当に“大人になれていない”のでしょうか?
はたまた、誰かから見て“痛い存在”になってしまっているのでしょうか?
今回は、自分自身もDINKsとして、少し真面目に考えてみたいと思います。
遊んでばかりは、子どもっぽい?
未婚の方やDINKsの人は、時間的・経済的にある程度の自由を得やすい環境にある場合が多いと思います。
その結果、好きなタイミングで旅行に行ったり、新しい趣味にチャレンジしたりと、比較的アクティブに過ごしているように見えるかもしれません。
私たち夫婦も、年2~3回は時間とお金を捻出して海外旅行を楽しむことを趣味としています。
でも、そういう自由な行動が、「遊んでばかり」「大人になれていない」と捉えられるのは、ちょっと違う気がします。
私たちもまた、“普通に働いて生きている”人間です。
捻出できた時間やお金を「何に使うか」が違うだけで、それを即「子どもっぽさ」と結びつけるのは、少し安直かなと感じました。
未婚・DINKs=自分本位、というレッテル
「子どもがいない=守るものがない=自分のことしか考えてない」と言われることもあります。
たしかに、“自分たちのライフスタイルを優先する”という点では、そう見える部分があるかもしれません。
でも、「自分本位」とは、本来こういう意味です:
自分本位とは、他人の気持ちや立場を考えず、自分の都合や欲望を最優先すること。
果たして、子どもがいない大人すべてが、そんなに自己中心的だと言えるでしょうか?
そう断言するのは、少し乱暴ではないでしょうか。
たとえ未婚やDINKsであっても、日々の生活の中で、誰かに配慮したり、気を使ったり、社会と折り合いをつけて生きていると思うのです。
つまり、“自分本位かどうか”は、その人の属性やライフスタイルではなく、その人個人の資質に左右されるのではないでしょうか。
◯◯したら一人前?
結婚したら一人前?
持ち家を持ったら一人前?
子どもが生まれたら一人前?
一体いつになったら、一人前と認められるのでしょうか。一歩進んでも、後から後から様々な「一人前」が追いかけてきます。
確かに、「一人前だ」と誰かに認めてもらえれば少しは嬉しい気持ちになるかもしれませんが、他人からの評価に追いかけられすぎても、ストレスになってしまい、何だか違うような気もします。
人生に責任を持てるなら、それが“大人”
では、何を持ってして「大人」と考えたらよいのでしょうか?
個人的な見解としては「自分で自分の人生に責任を持つ」ことができれば、立派な大人で一人前だと思います。
正直、未婚の方やDINKsは、将来的に頼れる人がいなくなってしまう可能性は高いと思います。
それを見据えて生きているのであれば、立派な大人だと思います。
逆に、先のことを気にせずに生きている人は、子供と変わらないのかもしれません。
そもそも、痛い大人の基準って?
「痛い大人」って、どこで決まるんでしょうか?行動?考え方?それとも服装や見た目?…もしかしたら、全部かもしれません。
日本人の気質というかなんというか、極端に「他人からの見られ方」に過敏になってるのかもしれません。
それを、他人にも求めてしまうというのは、私も含め、多くの人が無意識にやってしまっていることだと思います。
所変われば常識も変わりますし、自分の身の回りでは「普通」ということでも、他の場所から見たら「普通でない」こともあります。
「痛い大人」の基準も人それぞれで、他人からの評価を気にしすぎても仕方がないのかなとも思います。
結論:「子どもがいない=痛い大人」は思い込み
大人としての成熟って、本当に“親になること”でしか得られないのでしょうか?
私は、そうとは限らないと思っています。
むしろ、誰にも頼らず、自分の人生に責任を持って生きていこうとする姿勢こそ、「大人」の在り方の一つだと思います。
子どもがいても、いなくても。結婚していても、していなくても。
大切なのは、「どう生きるか」を自分の意思で選び、歩んでいくこと。
それぞれの人生に、それぞれの成長と責任がある。
そうやって、自分の足で立って、まっすぐ前を見て生きているなら、本来それは、十分「大人」だと私は思います。
大人としての成熟は、「子どもがいるかどうか」では測れないはず。あなたが“自分らしく”いられる選択を、誇りを持って歩んでいけますように。
誰かの理想ではなく、自分の物差しで。“今の自分”に胸を張って、これからも歩んでいけたら、それだけで十分、素敵な生き方ですね。