共働きDINKs夫婦が、貯金ゼロから10年で3000万円を築き、アッパーマス層に到達したステップを振り返ります。
私たちは、もともと「お金を貯められない人」でした。
2015年7月、同棲を始める際にお互いの貯金額を確認すると、それぞれ20万円台。ハッキリ言って、悪い意味で似た者同士です。
合わせて50万円もなく、同棲スタートに必要な初期費用で、現金がほぼゼロになってしまいました。
同棲前にお互いの経済状況とこれからを話し合った
同棲の話が出たのは、夫と付き合い始めて1年ほど経った20代後半の頃。お互いに、結婚を見据えたタイミングだったと思います。
同棲前にお互いの経済状況をしっかり共有し、「一緒に貯めていこう」と腹を括れたのが、良かったと思います。これが、後の資産形成の大きなスタートラインになったと今でも思います。
ちなみに、夫の状況を聞く前に、まず自分の経済状況を先に正直に伝えたこともポイントでした。正直、自分のことを話すのは恥ずかしかったし、嫌われないかと不安だったし、自分の発する言葉の一つ一つが辛かったです。(笑)
とは言え、「相手のことを知りたいなら、まずは自分のことから伝える」という事は、私が今でも普段から気をつけていることです。
もしここでお金の話を避けたり、向き合えない相手であれば、そもそも同棲はしなかったかもしれません。
同じスタートラインに立てる相手
夫と出会う前の私は、収入が少なく、生活するだけで精一杯。貯金なんて考えられず、若さゆえに楽しいことを追い求めて、浪費や飲み歩きが日常になっていました。
そんな私が将来を意識するようになったのは、夫(当時は彼)との交際がきっかけです。初めて「貯金しよう」と思い立ち、1年かけて貯めた20数万円は、当時の私にとって大きな達成感でした。
20代後半にもなって「それだけ?」と思われるのが怖かったのですが、夫も同じような状況だったので、むしろホッとしたのを覚えています。
「相手も同じ場所にいるなら、きっと一緒にスタートラインに立てる」と、当時の私は、そんなふうに思いました。
ちょうどその頃、「まずはやってみよう」という気持ちで、NISA口座を開設し、少額ながら投資信託や金の積立も始めました。1,000円だけ外貨に替えてみたりもして(笑)、どれも月に1,000円〜5,000円程度の小さなチャレンジでした。
今振り返ると、資金も知識もほとんどない中で、よく始めたなと思います。でもきっと、あの頃の私は現状を変えたくて、必死にもがいていたのだと思います。
その後、ライフイベントの都合でそれらの資産は手放すことになりましたが、「自分の意思で一歩踏み出した経験」は、資産形成に対する意識を大きく変えてくれました。
同棲開始と同時に「家計ルール」を設定
同棲を始めたとき、私たちは「生活費」「貯蓄」を各項目ごとに費用細かく決めました。例えば、生活費は住居費・食費・雑費・ペット費など。
貯蓄に関しても、「老後資金の為の投資」「使用目的が決まっているお金」と大まかには2つに分けて積み立てて行ったことが、貯蓄習慣を定着させるきっかけになりました。
ネット銀行も積極的に活用し、住信SBIネット銀行や楽天銀行で貯蓄用口座を分けた仕組みは、今もそのまま継続中です。
内訳の詳細や、ネット銀行の活用方法は長くなってしまうので、また別の記事にしたいと思います。
ちなみに、夫にとっては「同棲でお金が浮くと思ったら、逆に使える額が減った」とショックだったようですが、今では「最初に習慣化できたのは結果的に良かった」と言っています。
ライフイベントで貯蓄が減っても積み立ては継続
2016年の入籍時点で、私たちの総資産はおよそ160万円。
その後、結婚指輪や生活費で資産はやや減りましたが、1年後の2017年には300万円以上に増えました。
しかし、結婚式の準備で現金が必要になり、最終的には現金が100万円を切る状態に。
このとき、保有していた投資信託や株式のうち、プラスで売却できるものは現金化しましたが、タイミング的に売却できなかったものも残りました。
ただ、少額ながらも証券口座に投資信託や株を保有していたことが、マイナスになっているにもかかわらず、完全なゼロではないと言うことで、精神的な安心感につながりました。(そのうちプラスになるだろうと何故か楽観視していた)
その後も、義母の緊急手術による同居(引っ越し費用60万円)などで現金が減る局面がありましたが、同棲当初より決めていた毎月の配分を徹底して続けました。
この習慣が、長期的な資産形成の土台になったと感じています。
夫の転職リスクも受け入れて資産を加速
2021年5月、夫から「転職をしたい」という相談を受けました。
時代はちょうどコロナ禍の真っ只中。義母との同居生活も数年が経ち、将来の生活やお金のことを現実的に考える中で、「今こそ動くべき」と夫は決意したようです。
当時の資産は470万円と決して多くはありませんでしたが、私も安定した収入があり、共働きで生活費を賄えるだけの余裕がありました。
たとえ転職がうまくいかなくても、生活がすぐに立ち行かなくなることはないと判断し、迷わず夫を後押しする決断をしました。
結果的に転職は大成功。退職金の受け取りや年収アップも重なり、私たちの資産は一気に加速しました。
- 2022年末には総資産が1,000万円を突破
- 2024年末には2,800万円台まで到達
- 2025年は相場の下落で一時2,300万円台まで減少
それでも、2025年7月現在で再び3,000万円を突破し、年末にどこまで伸ばせるかが楽しみな状況です。
もちろんまた大幅に減る可能性もありますが、「追加投資しよう」と思えるくらいに、既にメンタルは出来上がっています。
未来を恐れず、リスク許容度を広げる
「結局、夫のお金でしょ?」と思う方もいるかもしれません。でも、それは少し心外です(笑)。
貯金や投資を始めたのは私の提案で、夫を巻き込んだのがきっかけでした。今では夫の方が熱心になってくれていて、その点はありがたく思っています。
もちろん、夫の転職による収入アップや退職金が、資産形成を大きく加速させたのは事実。
ただ、私自身も高収入とは到底言えませんが、30代女性の平均を多少は上回る収入を得ており、夫のチャレンジを安心して支えられたのは、私の収入基盤があったからこそだと思っています。
さらに、義母との同居を受け入れたり、投資を始めてみたりと、未知のリスクに過度な恐怖を抱かなかったことも、この10年の成長を後押ししました。
実際のところ、義母との同居がなければ、夫の転職はありませんでした。そこそこ安定している(ように見える)会社ではあったので、それは本人も認めるところ。
10年前の経済状況のままコツコツ貯蓄を積み上げていたであろう未来も、それはそれで楽しかっと思いますが。
私の根拠のない自信ですが、どんな未来も楽しめると自負しています。
まとめ|「貯められない夫婦」でも3000万円を築けた理由
- 同棲前にお互いの経済状況をオープンにした
- 家計ルールを設定し、目的別の貯蓄を習慣化
- ネット銀行や投資信託で資産を分散・管理
- 転職やライフイベントのリスクも受け入れた
- 夫婦それぞれの収入で支え合えた
結果として、もともと「貯められない」私たちでも、習慣とリスク許容を続けることで、10年で3,000万円以上の資産を築くことができました。
これからも、市場の変動やライフイベントに柔軟に対応しつつ、「貯めるだけで終わらない」資産の活用も模索していきたいと思います。
最後に一つだけ伝えたいことがあります。それは「お金を使うことを恐れないこと」。
人が唯一、平等に与えられているものは「時間」です。
その限られた時間を無駄にせず、人生を豊かにする経験や学びにお金を投じることも大切だと思います。
今となっては、無駄な浪費をしていると思えた10代・20代の頃の経験も、楽しい思い出とともに、今の私を形づくる糧になっています。
節約や貯蓄ももちろん大事ですが、経験や成長に投資することが、結果的に人生の満足度や選択肢を広げてくれるのではないでしょうか。